リジェネラティブ×回復の測定

「ゼロでは足りない」という言葉が耳に残りました。
Ellen MacArthur財団のPodcastで、輸送用パレットのレンタル大手Brambles社(ブランド名CHEP)が語っていた話です。同社は10年かけて調達木材の100%認証化、つまり同社の言う森林破壊ゼロに到達したあと、「ゼロで満足するか、次に進むか」の分岐で次を選んだと言います。
メキシコ・タバスコ州では州政府や地権者、認証機関、大学と連携して荒廃地の森林再生に取り組み、CHEP関係者の発信ではこれまでに69万本超を植えたとされています。
地域の営みが回復の担い手になるこの構図は、日本の自然共生サイトでも、法に基づく認定の約77%が農林水産業・農山漁村関係だとされることと重なって見えます。
正直だなと思ったのは、「リジェネラティブ(環境再生型)の実務的な定義も、測定手法も、まだ手引書がない」という同社の告白です。
当初は「使う木1本につき2本育てる」というKPIを立てたものの、本数では生態系や地域社会の回復を捉えられないと気づき、面積ベースの測定に移行したとのこと。言葉が先行しやすい領域だからこそ、測り方を正直に悩む姿勢に信頼を感じます。
カーボンの測定は数十年かけて積み上がってきましたが、自然の「回復」を測る方法は、まだ入口に立ったばかりに見えます。害を減らす測定から、回復を捉える測定へ。測れないものは、企業の意思決定にも、制度にも、資金にも乗りません。ここはこれからルールとデータの仕組みが作られる領域で、私自身も模索しています。
皆さんの周りでは、「自然の回復を測る」話は、どんな形で出てきていますか。
🔗 The Circular Economy Show(Ellen MacArthur財団)
https://the-circular-economy-podcast.simplecast.com/episodes/how-does-business-benefit-from-regenerative-practices-B6TyF0bh
🔗 Brambles 2030 Sustainability Programme(認証木材100%維持・本数→面積への移行)
https://www.brambles.com/foundations-of-a-nature-positive-regenerative-model
図版の文字情報
- 上部ラベル: 「リジェネラティブ経営の次の一手」(C2PAコンテンツ認証マーク付き) - タイトル: 「『ゼロでは足りない』。/リジェネラティブと、/まだ存在しない“回復の測り方”」 - 右上: 「ゼロから、回復へ。」(矢印と芽・手のイラスト) - リード: 「森を壊さない『ゼロ』から、森を回復させる『プラス』へ。/測れないものは、企業の意思決定にも、制度にも、資金にも乗りません。/ここから、ルールとデータの仕組みをつくる領域です。」 - 3項目 1. 「森林破壊ゼロを達成した先へ」— Brambles(CHEP)は認証木材100%の先で、森林再生に取り組む 2. 「地域とともに回復をつくる」— メキシコ・タバスコ州で69万本超の植林、地域の営みと回復を一体に 3. 「測り方は、まだ手探り」— 本数から面積へ。生態系や地域の回復をどう捉えるか、模索中 - 下部帯: 「害を減らす測定から、回復を捉える測定へ。|自然の『回復を測る』話は、あなたの周りで、どんな形で出てきていますか?」