ラベルレスPET/識別表示×資源循環

2026-08-23

ラベルレスPET/識別表示×資源循環 図版1
ラベルレスPET/識別表示×資源循環 図版2

7月30日、PETボトルの「ラベルレス」の対象を広げる省令が公布・施行されました。これまで箱売りだけに認められていたラベルの省略が、バラ売りにも広がります。

識別表示の制度そのものが、リサイクルが円滑に行われること、消費者が容易に分別排出できるようにすることを目的に置かれています。環境の目的は前からありました。それでも動かなかった理由のほうに、制度の構造が出ています。

資源有効利用促進法にもとづく識別表示制度は、PETマークの表示を2か所に求めてきました。

・ボトルの底部または側部への刻印
・ボトル側部への印刷、またはラベル

経済産業省の資料は、この2つの宛先を書き分けています。刻印は自治体・処理事業者向け、印刷・ラベルは消費者向け。同じマークが、別々の相手に向けて2層で載っていたわけです。

今回外れたのは、消費者向けの層のほう。刻印だけでも消費者がこれまでと同様の分別行動をとれる、というアンケート結果が根拠として挙げられています。

なぜ自動販売機からなのか。資料に理由が書いてあります。小売店舗ではバーコード(JANコード)による販売管理上ラベルの貼付が必要で、バーコードが不要な自動販売機についてラベルレス化を求める業界要望があった。

もうひとつの条件が、他法令の表示です。食品表示法などで文字サイズを小さくできる見解が出て、表示項目が少ない商品(主に水など)ではキャップにすべて書けるようになった。だから側面のラベルを外せる。省令も、側面に他法令上の表示を付さない場合に限って省略を認めています。

動かなかったのは、同じ一枚に、分別のための情報と、販売管理のためのコードと、他法令が求める表示が相乗りしていたからです。資料は、文字サイズについての見解、業界からの要望、アンケート結果を並べて挙げています。今回の改正では、ラベル廃棄量の削減による環境負荷の低減も効果として見込まれています。ただ、その効果は、3つの条件が解けてはじめて取りに行けるものでした。

環境の情報をどこに載せるかは、その情報が誰に向いているかと、同じ場所に何が同居しているかで決まる。EUのデジタル製品パスポート(製品ごとに素材や修理の情報をたどれるようにする仕組み)のように「新しくデータの器をつくる」動きと、この省令のように「既にある器から一枚剥がす」動きは、同じ問題の裏と表だと考えています。

【参照URL】
🔗 ラベルレスPETボトルの対象拡大に関する省令が公布・施行されるとともに、小森経済産業大臣政務官が当該取組等について発信するためのイベントに参加しました(経済産業省・2026年8月3日)
https://www.meti.go.jp/press/2026/08/20260803002.html
🔗 サーキュラーエコノミー政策及びラベルレスペットボトルについて(経済産業省・2026年8月)
https://www.meti.go.jp/files/000003172.pdf