環境訴求の規制/グリーンウォッシュ

2026-08-30

環境訴求の規制/グリーンウォッシュ 図版1
環境訴求の規制/グリーンウォッシュ 図版2

EUの指令(EU)2024/825で、環境に関するいくつかの主張が、不公正取引の「無条件に不公正」とされるリストに追加されました。加盟国は2026年9月27日から国内措置を適用します。

そのひとつが、温室効果ガスのオフセットを根拠に、製品が温室効果ガスの点で中立・低減・プラスの影響を持つと主張することです。

なぜ禁じるのかが、前文に書いてあります。

そうした主張が認められるのは、当該製品の実際のライフサイクルへの影響にもとづく場合に限られる。製品のバリューチェーンの外側での温室効果ガスのオフセットにもとづくものであってはならない。前者と後者は同等ではないから。

同等ではない。ここが芯だと読みました。

例として挙がっている表現も具体的です。「クライメート・ニュートラル」「CO2ニュートラル認証」「カーボン・ポジティブ」「クライメート・ネットゼロ」など。

一方で、禁じられないことも同じ段落に書いてあります。カーボンクレジットのプロジェクトを含む環境イニシアティブへの投資を宣伝すること自体は、妨げられない。誤解を招かない形で情報を提供し、EU法に定める要件に従うかぎりは。

線が引かれたのは、「何に投資したか」と「製品がどうなったか」のあいだだと思います。投資について語ることは、この禁止では妨げられない。ただ、製品の外側での取引を根拠にして、製品そのものがどうなったかを言うことは、できなくなる。

リストにはほかにも入りました。

・認証制度にもとづかない、または公的機関が設けたものではないサステナビリティ・ラベルの表示
・「エコ」「グリーン」のような一般的な環境主張で、その主張に関係する「認められた卓越した環境パフォーマンス」を示せないもの
・製品や事業の一部にしか当てはまらないことを、全体の環境主張として述べること
・そのカテゴリのEU市場の全製品に法律で課されている要件を、自社の提供の特徴として提示すること

将来についての主張にも要件が入りました。将来の環境パフォーマンスを語るなら、明確・客観的・公開・検証可能なコミットメントと、測定可能で期限つきの目標を含む詳細で現実的な実施計画があり、独立した第三者が定期的に検証して、その結果が消費者に提供されていること。

広告表現の話に見えて、調達と製品設計の話だと考えています。買ったクレジットをどう使えるかが変わり、「2050年ネットゼロ」のような約束は、検証の仕組みごと外に出せる形になっていないと語れなくなる。

これは指令なので、企業への具体的な義務と執行は、各加盟国が整える国内法で決まります。9月27日は「EU全体で同じ規制が自動的に始まる日」ではなく、加盟国が国内措置の適用を始める日です。EUで販売しているなら、その国でどの措置が適用されるかを確かめる起点として見ておくのがよさそうです。

【参照URL】
🔗 DIRECTIVE (EU) 2024/825(EU官報・2024年3月6日)
https://eur-lex.europa.eu/eli/dir/2024/825/oj
🔗 Green claims(欧州委員会 環境総局)
https://environment.ec.europa.eu/topics/circular-economy/green-claims_en