汚水処理インフラ×人口減少

2026-09-09

汚水処理インフラ×人口減少 図版1
汚水処理インフラ×人口減少 図版2

国土交通省・農林水産省・環境省が8月24日、令和7年度末の汚水処理人口普及状況を公表しました。全国の普及率は94.0%。前年度末の93.7%から0.3ポイント上がっています。

内訳はこうです。

・下水道 1億141万人(総人口比82.2%)
・浄化槽 1,171万人(9.5%)
・農業集落排水施設等 276万人(2.2%)
・コミュニティ・プラント 14万人(0.1%)
・合計 1億1,602万人(94.0%)

発表はこう書いています。「未だに約740万人が汚水処理施設を利用できない状況です」。

その一部は、参考資料の都市規模別の表から読めます。人口5万人未満の市町村の普及率は85.1%で、全国平均から大きく後れている。この区分の総人口は1,978万人、処理人口は1,683万人なので、差し引くと約295万人。全国の約740万人のうち、およそ4割です(いずれも1万人未満を四捨五入した値からの計算になります)。

残りの6割は、より人口の多い市町村のほうにあります。なお、5万人未満の区分に入る市町村は1,232で全1,719市町村の7割を超えますが、これは団体の数で、施設を使えない人がそこに集まっているという意味ではありません。

発表の締めくくりに置かれた一文が印象に残りました。

「自治体が地域の実情に応じて、人口減少時代に即した『集合処理』と『個別処理』の最適化を図れるよう、持続可能な汚水処理システムの構築に向けた支援を推進してまいります」

全部を管路でつなぐ、ではありません。方式を選び直す、と書いてある。人口が減っていく地域に管を延ばし続ける費用と、その後の維持を考えれば、そうなるのだと思います。

水の話は、足りるか足りないかの前に、どこまで同じ方式でやるかという設計の問題でもある。企業が立地や事業継続を考えるときも、その地域の排水がどの方式で成り立っているかは、たぶん効いてきます。下水道か、浄化槽か。誰が維持するのか。事業を置く側から見ると、水は入口だけでなく出口の話でもあります。

🔗 環境省の報道発表(2026年8月24日・国土交通省、農林水産省同時発表)
https://www.env.go.jp/press/press_05421.html

🔗 参考資料(都市規模別・都道府県別・市町村別の普及率/PDF)
https://www.env.go.jp/content/000423463.pdf