AIインフラ×自然共生サイト/自然資本の影響評価

2026-09-14

AIインフラ×自然共生サイト/自然資本の影響評価 図版1
AIインフラ×自然共生サイト/自然資本の影響評価 図版2

AIデータセンターの用地の中に、自然共生サイトがあります。ソフトバンクが北海道苫小牧市で建設している「北海道苫小牧AIデータセンター」は、約70haの敷地のうち20haを緑地として残し、そのうち13.5haが6月30日、自然共生サイト(民間の取り組みなどで生物多様性が保全されている区域を国が認定する制度。今回は56か所)に認定されました。認定証の授与式は9月25日に苫小牧市役所で予定されています。

苫小牧市は、経済産業省が9月11日にGX戦略地域(第1弾)として認定したデータセンター集積型の地点の一つでもあります。認定には「計画の着実な推進及び地域共生の確保等」が留保条件(条件付きの認定)として付いています。

このデータセンターを事例にした報告書が、4月に出ています。ソフトバンクとみずほフィナンシャルグループの「データセンターに関する自然資本の共同研究プロジェクト」の概要版(8頁)で、データセンターの自然への影響を、原材料や設備の上流から建設と運用、廃棄物の下流まで一つの表にしています。そこにこうあります。

「地方分散型DCでは、都市型DCと比べて、自然が豊富なエリアに立地するケースが多く、土地利用転換の影響が懸念されることが多い」

苫小牧の対応例として挙げられているのは、開発前後の生物調査、保全重要種が生息する環境の保全、外部認証の取得も視野に入れた土地利用の計画です。4月の時点で「視野に入れた」と書かれていた認証が、2か月半後に認定という形になった、と読めます。

ソフトバンクの発表が挙げる取り組みは6つです。

・ハスカップや猛禽類など希少生物の保全

・既存森林を可能な限り保全する設計

・専門家と連携した着工前の生物多様性調査

・苫小牧市との維持・管理に関する協定の締結

・巣箱や獣害防止ネットの設置

・専門家による継続的なモニタリング

補足が一つあります。この共同研究は自然(自然資本)への影響を対象としていて、騒音など地域社会への影響は分析の対象外と明記されています。敷地内の20haを緑地に残すことと、留保条件にある「地域共生」は、重なる部分はあっても同じものではないと思います。

私が気になったのは、データセンターの自然への影響を金融機関が一緒に整理している点です。みずほ側の狙いは、データセンター特有のリスクと機会を把握して、ファイナンス支援などの将来的なビジネス機会の獲得につなげることだと書かれています。順番としては、影響の項目が4月に表になり、認定が6月に続きました。データセンターの立地が地方に広がるほど、土地をどう使い、何を調べ、誰と協定を結んだかが、資金を出す側の見る項目になっていくのかもしれません。

🔗 ソフトバンク お知らせ(2026年6月30日): https://www.softbank.jp/corp/news/info/2026/20260630_01/
🔗 共同研究報告書 概要版(みずほフィナンシャルグループ): https://www.mizuho-fg.co.jp/sx/focus/pdf/datacenter.pdf