土地の情報基盤×経済安全保障/森林・農地の所有

2026-09-18

土地の情報基盤×経済安全保障/森林・農地の所有 図版1

外国人・外国法人が日本の土地をどれだけ取得しているか。2025年7月に国土利用計画法の届出に「国籍」が加わってから最初の半年分の集計が、9月15日に国土交通省から出ました。同じ日に林野庁が森林、農林水産省が農地の調査結果を公表しています。

国交省の集計(2025年7〜12月、市街化区域で2,000㎡以上など一定面積以上の土地売買の事後届出)では、外国人・外国法人の届出は68件で全体の0.7%、面積は124haで0.5%でした。利用目的では「資産保有・転売等目的」が面積の47%を占め、届出全体ではこの目的は約19%です。国籍別では中国が28件、香港と米国が7件ずつでした。

私が興味を持ったのは、参考として付いている「それ以前」の調べ方です。国籍が届出項目になる前も届出は基礎にありましたが、個人は氏名を日本人氏名のデータベースと照合するプログラムで、法人は届出住所や本店の所在地が国外かどうかで、外国人・外国法人を「類推」していた、と書かれています。2021年1月から2025年6月までの4年半で、類推による外国人・外国法人は届出全体の0.4%、面積で0.9%。つまりこの数字は、2025年7月に初めて、類推ではなく届出された国籍と、法人がどの国の法律で設立されたかに基づく数になりました。

同じ日に出た森林と農地の調査は、国交省とは対象も期間も違う別の調査なので、足したり比べたりはできません。森林は、林野庁の調査で2025年の取得が714ha(2006年からの累計11,699ha)。うち外国法人または海外に住む外国人によるものは143ha、国内の外資系企業や国内に住む外国人によるものが570haです。「取水や地下水の採取を目的とした開発等の事例はこれまで報告なし」と明記されています。農地は222ha(2017年からの累計731ha)で、外国法人による取得は0社・0ha、海外に住む外国人は1者・0.03haでした。

土地の取得をどう評価するかは立場で分かれます。私は、その手前の「何をどう数えられるようになったか」の側から読みました。見ておきたい点は3つです。

・所有者の情報が届出で取れる範囲はどこまでか

・類推に頼っていた期間の数字をどう扱うか

・森林で取水目的の事例が「報告なし」となるのは、どこまでの調査に基づくのか

森林や農地の所有と管理を語る前提になる情報が、2025年7月に一段そろった、という理解です。

🔗 国土交通省(2026年9月15日・国土利用計画法の届出集計): https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo02_hh_000001_00122.html
🔗 林野庁(同日・外国法人等による森林取得の調査結果): https://www.rinya.maff.go.jp/j/press/keikaku/260915.html