資源循環の指標×情報基盤/経済安全保障

2026-09-21

資源循環の指標×情報基盤/経済安全保障 図版1

環境省が2026年9月17日、第五次循環型社会形成推進基本計画(2024年8月閣議決定)の進捗状況について、中央環境審議会による第1回の点検結果を公表しました。全体像を表す6つの物質フロー指標のうち、2030年度目標を「達成見込み」と判定されたのは最終処分量だけで、残る5つは「注意が必要」でした。

最新値を並べます(多くは2023年度。括弧内は2030年度の目標値)。

・資源生産性:約51万円/トン(目標は約60万円/トン)

・一人当たり天然資源消費量:約12トン/人・年、2021年度(目標は約11トン/人・年)

・再生可能資源と循環資源の投入割合:約30.1%(目標は約34%)

・入口側の循環利用率:約17.0%(目標は約19%)

・出口側の循環利用率:約43.6%(目標は約44%)

・最終処分量:約1,199万トン/年(目標は約1,100万トン/年。達成見込み。2000年度から約79%減)

出口側の循環利用率、つまり発生した廃棄物等のうち循環利用に回った割合は、2013年度の約46.1%をピークに横ばいから減少傾向で、2023年度は約43.6%です。報告書は「行いやすい取組は既に進展していること等もあり、近年はその進捗が総じて緩やか」と書き、「更なる要因分析による政策効果の把握が必要」と続けています。

私が気になったのは、今回の重点点検分野「事業者間連携によるライフサイクル全体での資源循環」の評価です。製造・小売(動脈)と廃棄物処理・リサイクル(静脈)をつなぐ連携の仕組み、たとえば参加企業10以上のネットワークやプラットフォームが増えていることは事例で確認できた。しかし、その規模や状況が動静脈連携の推進に十分であるかは「現状把握が困難」と、報告書自身が書いています。そして今後の方向性には、連携の「量」と「質」を把握するための点検基盤の整備、質的評価を含む指標づくり、把握が難しい分野でのデータ収集の工夫、既存統計との連携が並びます。

審議会の議論の概要には、「事業者負担が軽いデータ収集の仕組み」「リユース業者が情報非開示で評価が進まない」「再生材ごとのコスト構造の把握・可視化」「データ共有の仕組み(情報基盤)の構築は重要」という声も残されています。

計画の柱に据えた連携が、いまの統計では見えない。報告書が次に整えると書いているのは、測り方の側でした。次回の点検はおよそ2年後です。そのとき「連携の量と質」がどんな指標で出てくるかが、日本の資源循環政策の進み方を外から確かめる材料になりそうです。

🔗 環境省 報道発表(2026年9月17日): https://www.env.go.jp/press/press_05589.html
🔗 点検報告書 本文(PDF・74頁): https://www.env.go.jp/content/000430138.pdf