AIインフラ×環境情報化/データセンターの格付け

2026-09-24

AIインフラ×環境情報化/データセンターの格付け 図版1
AIインフラ×環境情報化/データセンターの格付け 図版2

欧州委員会が2026年9月21日に採択した委任規則(C(2026) 3472 final)で、EUのデータセンターに共通の格付けと電子ラベルの制度ができます。省エネ指令の第12条にもとづく仕組みの、第2段階にあたります。

面白いと思ったのは、ラベルに載せる項目の選び方でした。附属書IIが挙げているのは18項目です。主なものを挙げると、こうなります。

・名称、種別、事業者、所在地、規模区分

・報告期間、稼働開始時期、QRコード

・電力の内訳、冷房度日

・系統への柔軟性を提供しているか、廃熱の再利用に対応しているか

このあたりは、値や区分がそのまま載ります。そのなかで、電力の効率(PUE)と水の効率(WUE)だけは、数値ではなくA〜Gの等級で載ります。

・PUEはA(1.15以下)からG(1.9超)までの7段階

・WUEはA(0.1以下)からG(1.0超)までの7段階

規則の説明部分によれば、ヨーロッパのデータセンターの現在の平均PUEはおよそ1.6と見積もられています。この表に当てるとEです。

そして規則は、データベースに報告された情報を引き続き秘密として扱うと定めたうえで、「ラベルの一部である情報を、ラベルに現れる形で」だけを例外にしています。ラベルという器に入れた分が外に出て、残りは秘密のまま、という設計です。

ラベルには共通の解説文書も付きます。PUEとその土地の気候条件の関係、PUEを下げるとWUEが上がりやすいという両者の関係、その土地で水がどれだけ逼迫しているか(水ストレス)によってWUEの重みが変わること。等級だけを見ると読み違える、と制度の側があらかじめ見込んでいるように読めました。

自動発行は2027年8月15日から毎年です。報告義務の対象は500kW以上ですが、それ未満の施設や、まだ稼働していない施設も任意で参加できるようになりました。

データセンターが使う水や電力は測りにくい、という論点がよく挙がります。今回はその先の話でした。集めた数値を、どの粒度なら外に出せるのか。環境データの公開は、出すか出さないかではなく設計の問題なのだと思いました。

🔗 欧州委員会の発表: https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_26_1667

🔗 委任規則の本文(PDF): https://energy.ec.europa.eu/document/download/b073ba9b-82a8-45cb-b8ba-78dad149e941_en?filename=C_2026_3472_1_EN_ACT_part1_v9.pdf