自然関連開示×IT・通信/水の循環

TNFDが2026年9月22日に公表した、テクノロジー・通信セクター向けガイダンスの最終版で、水の扱いが大きく変わりました。セクター固有の「コア指標」(開示するか、しない理由を説明することが求められる指標)が、2026年1月のドラフトの2つから7つに増え、そのなかに水の循環にかかわる2つが入っています。
・水の再利用・リサイクル量と、その比率
・排水を施設内で再生した量と、その比率
どちらも半導体、電子機器の製造受託、ハードウェア、データセンターが対象です。ドラフトでは、水の循環は追加指標の案の1つでした。
データセンターの水の使用効率(WUE)については、効率の比は影響の大きさを正確には表さないことがあるとして、総使用量や水源、冷却方式、その流域の水ストレスと合わせて見るよう書かれています。消費した水の量と、その土地の水の逼迫度(水ストレス)を組み合わせる新しい指標(WUI)も、追加指標に入りました。
どれだけ効率よく使ったかに加えて、どれだけ回したか、どの流域にどれだけ頼っているか。問われる軸が広がったように読めました。
所属するIISEでは2026年7月、このガイダンスのドラフトを題材にウェビナーを開き、策定に関わったNECの岡野豊さんに解説してもらいました。岡野さんが水対策でいちばん重要だと強調していたのは、工場やデータセンターを建てる前の立地評価でした。最終版の追加指標にも、ピーク日の取水量や、外部からの水の供給が止まったときに何時間冷却を続けられるか、といった項目が並んでいます。
使った量の報告に、その土地でどれだけ持ちこたえられるかの説明も加わりつつある。IT・通信の自然関連開示は、そういう方向に進んでいるのだと思いました。
🔗 TNFDの発表: https://tnfd.global/tnfd-releases-final-sector-guidance-for-technology-and-communications/
🔗 ガイダンス本体: https://tnfd.global/publication/additional-sector-guidance-technology-and-communications/