資源×経済安全保障/国内供給源の種類

2026-09-28

資源×経済安全保障/国内供給源の種類 図版1

英国政府が2026年9月27日に「新しいリチウム鉱山」として発表したコーンウォールの事業は、地下の地熱の熱水(ブライン)から炭酸リチウムを取り出す抽出施設です。

事業者は Geothermal Engineering Limited(GEL)。約4,300万ポンドを投じ、電気自動車の電池に使う資源として、政府の自動車産業向けの基金「DRIVE35」から約1,000万ポンドの内諾(審査の完了などが条件)を受けました。2029年に商業生産を始め、年に約1,500トンの炭酸リチウムを生産する見込みで、将来は年数万トンまで広げられる可能性があるとしています。

英国は2025年11月の重要鉱物戦略で、2035年までに少なくとも5万トン(炭酸リチウム換算)のリチウムを国内で生産する目標を掲げています。年1,500トンは、その3%ほどです(目標との比は私の計算です)。同じ発表では、ティーズサイドのリチウム精製所への支援も並べられていました。

戦略には、コーンウォールの重要鉱物の事業では、直接リチウム抽出のような環境への影響が小さい採取方法や、地熱エネルギーで操業を動かす低炭素の工程が探られている、とも書かれています。

資源を国内で確保する話は、大きな鉱山を1つ開く話として語られがちです。ただ、この発表と戦略を並べてみると、地熱の熱水のように、その土地の地下の条件に合った小さな供給源をいくつ束ねられるか、という組み立て方にも見えました。資源の制約を、どの地域の、どんな自然の条件で埋めていくのか。産業政策が、地域の地下や水や熱の条件と同じ地図の上で語られ始めているように思いました。

🔗 英国政府の発表: https://www.gov.uk/government/news/new-lithium-mine-in-cornwall-to-unlock-britains-industrial-potential-and-support-skilled-jobs

🔗 重要鉱物戦略(PDF): https://assets.publishing.service.gov.uk/media/69244c80367485ea116a5675/uk-critical-minerals-strategy-vision-2035.pdf