資源循環×ごみ処理の安全

2026-10-01

資源循環×ごみ処理の安全 図版1

リチウムイオン電池が原因とみられる、ごみ処理中の火災事故等(発煙・発火を含む)は、2025年度に全国で3万9,282件ありました。発生場所を複数回答で見ると、ごみを破砕・選別・圧縮する再資源化施設(保管場所を含む)が3万5,694件で、ほかの場所を大きく上回っていました。環境省が9月29日に公表した、全1,741市町村への調査(回収率100%)の結果です。

調査結果の概要によると、

・発生した品目で最も多いのはモバイルバッテリー、次いで加熱式たばこ

・電池が市町村の決めた区分に出されず、破砕機などで衝撃が加わって発火するケースが多いと考えられる

・リチウムイオン電池か、それを使った製品を回収している市町村は86.2%で、前年度から8.9ポイント増えた

・膨らんだり変形したりした電池を回収している市町村は41.3%

件数は、前年度の2万3,068件から大きく増えています。ただ、概要のグラフの内訳を見ると、職員や消防隊が消火した件数は9,923件から9,456件へと少し減っていて、増えた分の多くは「散水装置などの設備で自動的に消火」でした(5,432件から1万7,792件)。この資料は増えた理由を説明していないので、消火の設備が増えて記録に残る件数が増えたのか、火そのものが増えたのかは、ここからは分かりません。

回収する市町村が増えても、分別から漏れた電池は、破砕・選別などを行う再資源化施設に集まってくる。資源を循環させるための設備に、火災事故等の件数が集中している、というのが、この資料から見える構造だと思います。

電池を使う製品は、これからも増えていきます。資源循環を、再生材の目標値だけでなく、ごみ処理という社会インフラを止めないための問題としても見ていく必要があるのかもしれません。

🔗 環境省の発表(2026年9月29日): https://www.env.go.jp/press/press_05588.html

🔗 調査結果の概要(PDF): https://www.env.go.jp/content/000431902.pdf