エネルギー安全保障×レジリエンス/物差し

2026-10-02

エネルギー安全保障×レジリエンス/物差し 図版1

エネルギー安全保障の強さは、1つの点数では表せません。JPモルガン・チェースの地政学センターと、J.P.モルガンの商業・投資銀行部門が9月に出した報告書「The Race to Resilience」は、エネルギー安全保障を測る単純な10点満点の尺度はない、という趣旨を書き、代わりに6つの物差しで各国の位置を示しています。順位ではなく、いまの時点での比較として読むもの、というのが報告書の位置づけです。

6つの物差しは次のとおりです。

・輸入燃料への依存

・戦略備蓄

・エネルギーの供給元と輸送路の多様性

・安定して電気を出せる脱炭素の電源(原子力や地熱など。報告書は clean firm power と呼びます)

・電力網の安定性

・強靱な国内製造能力(エネルギー自給で支える)

日本について、報告書の図には次の数字が出ています。化石燃料の純輸入は、一次エネルギー消費の80%超(図3)。戦略的な原油の在庫は、2025年12月時点の推定で2億6,300万バレルで、図に並ぶ国のなかでは中国、米国に次ぐ規模です(図4)。

輸入への依存は高く、備蓄の規模は図の3番目。物差しごとに別の顔が出るので、1つに束ねると見えなくなります。

自然・気候・資源の制約を、企業や社会インフラの存続可能性として考えるときも、1つの指標にまとめず、先に物差しを並べて見るところから始めたいと思いました。

🔗 報告書(JPMorganChase Center for Geopolitics): https://www.jpmorganchase.com/content/dam/jpmorganchase/documents/center-for-geopolitics/the-race-to-resilience-balancing-the-energy-security-equation.pdf