環境情報化・データ基盤/GHG観測

温室効果ガス(GHG)の観測データや研究成果を一か所で案内する「日本GHGセンター」が、10月1日に設立されました。国立環境研究所、東京大学、広島大学、海洋研究開発機構、気象庁気象研究所、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の6機関が設立し、環境省は賛同して協力します。
発表資料によると、これまで大学・研究機関・政府機関に分かれていたGHGの観測データと、それに基づく解析・評価の結果を結びつけ、ワンストップで案内・発信する、国内初のオールジャパンの情報ハブだそうです。(資料は、必要な手続が完了次第、運営を開始する、とも書いています。)
案内するだけではありません。説明会資料は、センターの使命を5つ挙げています。そのうち3つは次のとおりです。
・観測とモデルの成果から排出・吸収量をトップダウン(大気の濃度からの逆解析など)で推計し、ボトムアップのインベントリ(積み上げで算定する排出量)と比べる統合評価を進めて、インベントリの精度・信頼性を向上させる
・パリ協定のグローバル・ストックテイクや、WMOの全球温室効果ガス監視(G3W)、国連環境計画(UNEP)の国際メタン排出観測所(IMEO)など、国際的な取組に貢献する
・研究者、政策立案者、民間企業などに科学的知見を伝え、国際ルール形成、政策立案、ビジネス利用の支援に資する
比べる例として、資料には、国別の人為起源メタン排出量で、各国が国連に報告する値と、観測とモデルに基づく推計値を並べた図があります。観測に基づく推計は、報告値と補い合うものとして使える、という説明です。事業との距離では、COP29(2024年11月)のセミナーに、MUFGや損保ジャパンも参加していました。
資料の言葉で読むと、センターが目指すのは、データを案内する窓口にとどまらず、国が報告する排出量の精度と信頼性を、観測の側から高めることだと思います。観測から見える数字が、国の報告だけでなく企業の判断でどう使われていくのか、ここから見ていきたいと思います。
🔗 環境省の発表(2026年10月1日): https://www.env.go.jp/press/press_05602.html
🔗 日本GHGセンター: https://esd.nies.go.jp/ghg-information/