社会インフラの縮小×見える化

2026-10-05

社会インフラの縮小×見える化 図版1

インフラを減らす判断に、どんな意見が集まったのか。国土交通省のインフラマネジメント戦略小委員会が9月30日に示した中間答申(案)に、9月の中間とりまとめへの意見募集の結果が付いていました。

この審議は、埼玉県八潮市で下水道管の破損による道路陥没が起きたことをきっかけに、「壊れてから直す」から、地域のインフラ全体を経営の視点で見ていく管理への転換を議論しているものです。

意見は90者から258件。いちばん多かったのは、施設の集約・撤去に関するもので51件でした。そのうち50件は、集約・再編を進める方向性には賛成です。そのうえで、主な意見としてこんな声が挙がっていました。

・人口減少や財政制約を理由に、生活のインフラを安易に縮小しないでほしい
・優先順位を、利用者数や費用だけで決めないでほしい
・決める前に、複数の選択肢と影響を示して、住民の意見を直接聴いてほしい

市民への「見える化」の意見(18件)も同じ向きでした。施設の位置や健全度、優先度、概算費用などの最低限の公開項目を定めてほしい。「集約・再編が必要」という結論だけでなく、判断の根拠も公開してほしい。

国の考え方は、集約・撤去については「原案のとおり」で、本文は変えていません。住民や利用者との対話で丁寧に合意形成を図ることは、すでに書いてある、という整理です。一方で、意見を受けて本文に足された言葉もありました。

・AIなど新技術を使うときの判断と説明責任の主体を問う意見を受けて、「管理者が責任を持って」将来を見据えた意思決定を進める
・市民がインフラの異常を見つけて通報したら、その進み具合を住民が確認できる仕組みづくり

国交省の整理では、集約・撤去の51件のうち50件が方向性に賛成でした。そのうえで求められていたのは、どう決めたかが見えることです。インフラを減らすかどうかは、技術の問題である前に、情報を誰が持ち、誰に見せ、誰が責任を持って決めるかの問題なのだと思います。

答申案は10月上旬に技術部会で審議され、その後、中間答申として公表される予定です。

🔗 第6回 インフラマネジメント戦略小委員会(配布資料): https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/sogo03_sg_000251.html

🔗 小委員会のページ: https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/s204_management02.html