住まいの緑×疲労回復/居住価値

住まいの緑の価値というと、私はつい昼に見える景色を思い浮かべていました。ただ、日中は外で働く人にとって、家にいるのは主に夜です。そこに目を向けた実証を、積水ハウスが2026年9月に発表しました。
大阪公立大学健康科学イノベーションセンターとの共同研究で、夜の住宅展示場に2つのリビングを用意しています。植栽を施した庭が大きな窓越しに見えるリビングと、外が見えないリビングです。同じ28人が、画面の数字の正誤を判断し続ける疲れる作業を30分したあと片方のリビングで30分休む、という流れを両方のリビングで行い、その前後を比べました。
発表されている結果はこうです。
・庭が見えるリビングでだけ、休憩後に副交感神経(リラックスに関わる)の指標が高まり、その変化は休憩開始から5分で大きかった
・庭が見えるリビングでは「疲労感」「ストレス」が作業前と同じくらいまで下がり、外が見えないリビングでは作業前より大きく上がった
・庭が見えるリビングで休んだあとは、作業のエラーの増え方が抑えられた
リリースは、夜でも外の自然を感じられる住環境が、新しい居住価値になりうるとしています。
私が気になったのは、緑の価値を「どれだけあるか」ではなく「人がいる時間に見えるか」で測っている点でした。同じ庭でも、家にいる時間に暗くて見えなければ、住む人にとっての価値は小さいのかもしれません。緑の量を測る物差しに、生活の時間を重ねる余地がありそうです。
ただ、読み方には注意が要ります。プレスリリースには、差が偶然でないかを示す統計の数値や効果の大きさは載っておらず、表現も「可能性」です。また比べているのは庭の有無だけではなく、外や夜の灯りが見えるかどうかも含めた違いです。
🔗 積水ハウスの発表(共同通信PRワイヤー)
https://kyodonewsprwire.jp/release/202609246515