公園の種類×地価/公園の経済的価値

2026-09-30

公園の種類×地価/公園の経済的価値 図版1

公園の近くは地価が高い、とはよく言われます。広島大学のグループが東京23区の山手線の外側で確かめたところ、公園の種類で分けると、関係の出方がかなり違っていました。

日本建築学会中国支部研究報告集に載った報告です(2026年3月、J-STAGEでは9月28日に公開)。住宅地の公示地価641地点について、駅までの距離や道路の幅など公園以外の条件で地価を予測する式をつくり(予測の当てはまりを示す調整済み決定係数は0.886で、1に近いほどよく当てはまる)、予測より実際の地価が高い地点が、公園の近くにどれだけあるかを数えています。

・街区公園(0.25ha程度の小さな公園):予測より高い地点は、100m以内で40%。範囲を800m以内まで広げても5割前後で、近いほど高いという傾向は出なかった

・近隣公園(2haが目安):予測より高い地点は、200m以内で13地点中11(85%)、300m以内で37地点中26(70%)。範囲を400m以内に広げると52%で、800m以内まで広げても5割台

・300m以内にある近隣公園のうち、野球場やグラウンドが面積の5割以上を占める公園では、予測より高い地点は約15%。遊具・芝生広場・池などがある公園では多かった

著者は、野球場型の公園は使い方が限られ、日常的に使われにくいことが理由ではないか、と考えています。

私が興味を持ったのは、「公園があるか」ではなく「どんな公園か」で差が出ているように見える点です。この研究の出発点は、老朽化した公園の更新で、経済的な価値が分からないことが投資の判断を難しくしている、という問題意識でした。種類ごとの違いが見えてくると、どの公園を、どんな使われ方の公園に作り替えるかの議論に使える材料になりそうです。

ただし、統計的な検定はしておらず、距離によっては地点数が少ないところもあります。緑の量や景観など、公園以外に残っている要因もあり、著者自身が、公園の使われ方を考えた分析と因果関係の解明を今後の課題に挙げています。

🔗 報告(J-STAGE)
https://doi.org/10.60442/aijchugoku.49.0_751